「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」の一部を改正する法律の公布

外航船舶からのバラスト水(船舶の安定のために取り入れる海水等)に含まれる生物が、バラスト水とともに本来の生息地ではない外国で排出されることによる生態系破壊等の環境問題、それに伴う経済被害等を防止するため、国際海事機関(IMO)において「二千四年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」が採択された(2004年2月13日、ロンドンで採択)。
日本でもこうした被害が生じており、同条約の締結に伴い、生物を含む有害なバラスト水の船舶からの排出の規制を行う等の措置を講ずるため、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律が成立され、公布された。

(1)有害なバラスト水の排出禁止
一定の船舶からの有害な(未処理)バラスト水の排出を禁止することとする。
(2)船舶所有者等の義務
一定の船舶の船舶所有者等に対し、以下の事項を義務付ける。
①有害なバラスト水の処理設備の設置(技術基準適合)
※新造船:条約発効後
※現存船:一定期間猶予(原則:条約発効後、5年ごとの定期検査まで)
②有害なバラスト水の不適正排出の防止を管理する管理者の選任
③有害なバラスト水の取扱いに関する事項を定めた手引書の作成及び備置き
④バラスト水に関する作業を記録した記録簿の備付け(船長)   等
(3)規制の担保
①処理設備及び手引書について、船舶検査を実施し、国際証書を交付
②外国船舶の立入検査を実施 (国際証書・記録簿を確認、違反船舶は拘留が可能)

<二千四年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約>

  • 2004年2月13日 ロンドンで採択
  • 2014年2月時点で、締約国は38か国(フランス、イタリア、カナダ、ロシア、リベリア島)
  • 2014年内に条約の発効要件を充足する見込み(商船船腹量の30.38%(発行要件は30か国が批准し、かつ、それらの合計商船船腹量が世界の35%以上となった日の1年後に発効)
  • 2014年5月16日 日本、国会承認

【公布】2014年5月30日
【施行期日】条約発効日
【出典】国土交通省 http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji07_hh_000037.html

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