公布「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」

2017年5月19日、「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」が公布された。

土壌汚染の把握(土壌汚染状況調査)を行う契機が拡大されたこと等の改正が行われているため、注意が必要。

背景

(1)土壌汚染対策法については、平成21年改正法の施行(平成22年)から5年が経過したことから、法律の附則に定める施行状況の検討が行われ、下記の懸念事項が明らかとなった。
①工場が操業を続けている等の理由により土壌汚染状況調査が猶予されている土地において、土地の形質変更を行う場合に汚染の拡散が懸念されること
②要措置区域において、土地の所有者等が実際に実施した措置について、都道府県知事が事前に確認する仕組みがなく、不適切な措置の実施等のおそれがあること

(2)他方、形質変更時要届出区域においては、たとえ土地の状況からみて健康被害のおそれが低くとも、土地の形質変更の度に事前届出が求められること、また、自然由来による汚染土壌が存在する場合であっても、指定区域外に搬出される場合には汚染土壌処理施設での処理が義務付けられていることから、リスクに応じた規制の合理化が求められている。

(3)このような状況を踏まえ、土壌汚染に関するより適切なリスク管理を推進するための措置を講じる。

改正の概要

(1)土壌汚染状況調査の実施対象となる土地の拡大
調査が猶予されている土地の形質変更を行う場合(軽易な行為等を除く)には、あらかじめ届出をさせ、都道府県知事は調査を行わせるものとする。

(2)汚染の除去等の措置内容に関する計画提出命令の創設等
都道府県知事は、要措置区域内における措置内容に関する計画の提出の命令、計画が技術的基準に適合しない場合の変更命令等を行うこととする。

(3)リスクに応じた規制の合理化
①健康被害のおそれがない土地の形質変更は、その施行方法等の方針について予め都道府県知事の確認を受けた場合、工事毎の事前届出に代えて年一回程度の事後届出とする。
②基準不適合が自然由来等による土壌は、都道府県知事へ届け出ることにより、同一の地層の自然由来等による基準不適合の土壌がある他の区域への移動も可能とする。

(4)その他
土地の形質変更の届出・調査手続の迅速化、施設設置者による土壌汚染状況調査への協力に係る規定の整備等を行う。

スケジュール

【公布】2017年5月19日
【第1段階施行】2018年4月1日 ※上記(4)
【第2段階施行】2019年4月1日 ※上記(1)~(3)

出典

○環境省「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案の閣議決定について」

○環境省「土壌汚染対策法について(法律、政令、省令、告示、通知)」

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