包装・容器のアクセシブルデザインに関する国際規格が発行されました~中身や開け方、廃棄の仕方を分かり易く~

今般、日本から提案した、包装・容器のアクセシブルデザインに関する国際規格が、「ISO19809包装-アクセシブルデザイン-情報及び表示」として発行された。
これにより、高齢者や障害のある方に配慮された日本の優れた製品が国際市場に普及し、より多くの人々に対して利便性の向上が期待される。

《背景》
日本では、高齢者や障害のある方への配慮として、開けやすさや中身の区別のしやすさ等を包装・容器に取り入れてきた。身の回りにある生活製品としては、シャンプーボトルのギザギザが良く知られている実例であり、高齢者・障害者等配慮設計指針(アクセシブルデザイン)の中でもいち早くJISとして制定されている。
一方で、包装・容器は、モノを運ぶ、保管するといった機能以外にも、中に入っている物に関する情報やその廃棄の方法を伝える等、様々な機能を持っている。
このため国際標準化活動においては、購入から廃棄までの様々な状況を踏まえた体系的な規格の策定にあたり、年齢、知覚や認知する能力の違い、身体的な差異、言語や文化の違いへの対応が求められた。

《規格の概要とこれまでの取組》
日本から2013年6月に国際標準化機構(ISO)に提案し、各国専門家による審議、投票を経て、2017年11月に発行された。 今回、発行された国際規格(「ISO19809包装-アクセシブルデザイン-情報及び表示)は、「情報と表示」によって、包装や容器を使用する際の安心・安全の実現、そして高齢者や障害のある方等をはじめとする多様な使用者にとっての包装・容器のアクセシビリティの向上を目的としている。本規格で規定する包装・容器の設計者、開発者及び評価者が配慮すべき「情報と表示」に関するポイントは以下の通り。

  1.  図や文字の組合せ、簡潔な表現、ポイントの強調など多様な使用者、使用環境に配慮する。
  2.  図・字と背景にコントラストをつける、判別しやすい色の組合せを選択するなど人が判断する際の特性に配慮する。
  3.  購入、保管、開封、使用、廃棄など各段階において判断や動作をしやすくする。
  4.  誤使用を避けるなど安全に関わる情報を提示する。
  5.  アクセシビリティにおける使用者からの評価を推奨する。

【出典】経済産業省 http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171214002/20171214002.html