2020年10月1日「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令の一部を改正する省令」が公布された。
また同日、「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準」が公表された。
特定有害廃棄物等の輸出入を行う場合は、有害廃棄物の越境移動を制限した国際的な枠組みであるバーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約)において、輸出国から輸入国・通貨国への事前通告、同意取得の義務付け等が義務付けられている。
日本では、バーゼル条約の国内担保法として、バーゼル法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)が施行されており、バーゼル条約の規制対象物質を規定し、当該対象物の輸出入を行う場合に、外為法に基づく経済産業大臣の承認、環境大臣による確認等を受けることとなっている。
今般、廃プラスチックが、輸入国におけるリサイクルの過程で不適切に処理され環境汚染を引き起こしている現状を鑑み、プラスチックの廃棄物を新たにバーゼル条約の規制対象に追加する条約附属書(附属書Ⅱ・附属書Ⅷ・附属書Ⅸ)の改正が行われ、
2021年1月1日以降は、バーゼル条約の規制対象となる廃プラスチックを輸出する際には事前に相手国の同意が必要となる。
これを受けて、バーゼル条約附属書改正で規制対象となった「廃プラスチック」をバーゼル法に基づく「特定有害廃棄物等」の範囲に含める等を行うため、「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令の一部を改正する省令」を改正し、
「特定有害廃棄物等の範囲から除外される物(別表第3の3の項第1号)」・「特定有害廃棄物等の範囲に含まれる物(別表第4の3の項の第21号)」を定め、
また、具体的にどのようなプラスチックが、規制対象に該当するかを適切に判断するため、判断基準を策定する。
表.バーゼル条約附属書の改正内容とバーゼル法及び省令での担保の関係
バーゼル条約附属書の改正によって、廃プラスチックに関する規定が、附属書Ⅱ、Ⅷ、Ⅸに追加された。
(出典)プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準策定の背景及び目的等について
詳細は、下記資料を参照↓↓
●特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令の一部を改正する省令.pdf
●【概要】「バーゼル法に基づく特定有害廃棄物等省令の一部を改正する省令(案)」について.pdf
●プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準.pdf
●【概要】「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準案」について.pdf
※当判断基準はバーゼル法に策定の根拠条文があるものではなく、環境大臣告示ではない。当判断基準に記載した規制対象外となるプラスチックの具体例は、事例の一部であり、本事例に掲げられていないプラスチックも含めて、プラスチックの廃棄物を輸出する場合は、バーゼル法輸出入規制事前相談において個別に判断される。
事前に相手国の同意が必要となる「規制対象」のプラスチックの廃棄物の該非判断基準について、条約附属書Ⅸに沿って、(1)複数のプラスチック樹脂の混合がないものの該非判断基準、(2)複数のプラスチック樹脂(PE、PP、PET)の混合があるものの該非判断基準に分けて規定している。
(1)複数のプラスチック樹脂の混合がないもの
下記A~Dの条件を全て満たすものを規制対象外とする(外見で確認できること)
A.飲食物、泥、油等の汚れが付着していないこと
B.プラスチック以外の異物が混入していないこと
C.単一のプラスチック樹脂で構成されていること
D.リサイクル材料として加工・調整されていること
(2)複数のプラスチック樹脂(PE、PP、PET)の混合があるもの
下記A~Dの条件を全て満たすものを規制対象外とする(外見で確認できること)
A:分別され、ボトル・キャップ・ラベル以外のプラスチック樹脂や異物を含まないこと
B:洗浄され、飲料や泥等の汚れが付着していないこと
C:裁断され、フレーク状になっていること
【公布】2020年10月1日
【施行】2021年1月1日(バーゼル条約附属書改正が効力を生ずる日)
○e-GOV >「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律に基づく特定有害廃棄物等の範囲等を定める省令の一部を改正する省令(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)の結果
○e-GOV >「プラスチックの輸出に係るバーゼル法律該非判断基準案」に対する意見募集(パブリックコメント)の結果