「水銀による環境の汚染の防止に関する法律案」「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」の閣議決定

「水銀による環境の汚染の防止に関する法律案」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が、2015年3月10日に閣議決定され、189回国会に提出された。

両法律案は、「水銀に関する水俣条約」を担保するための措置等を講ずるものである。同条約は、50箇国の締結の日後90日目に発効することとされています。

水銀による環境の汚染の防止に関する法律案
(1)計画の策定
水銀対策の全体像を示す「水銀等による環境の汚染の防止に関する計画」を策定する。
(2)水銀鉱の掘採の禁止
(3)特定の水銀使用製品の製造等に関する措置
特定の水銀使用製品について、許可を得た場合を除いて製造を禁止するとともに、部品としての使用を制限し、現在把握されていない新たな用途で利用する水銀使用製品については製造・販売を抑制する。また、水銀使用製品の適正な分別回収のため、国・市町村・事業者の責務を設ける。
(4)特定の製造工程における水銀等の使用の禁止
(5)水銀等を使用する方法による金の採取の禁止
(6)水銀等の貯蔵に関する措置
水銀等の環境上適正な貯蔵のための指針を定め、水銀等を貯蔵する者に対して定期的な報告を求める。
(7)水銀を含有する再生資源の管理に関する措置
水銀含有再生資源(条約上規定される「水銀廃棄物」のうち、廃棄物処理法の「廃棄物」に該当せずかつ有用なもの。非鉄金属製錬から生ずる水銀含有スラッジなど。)の環境上適正な管理のための指針を定め、水銀含有再生資源を管理する者に対して定期的な報告を求める。

※施行期日:我が国について条約が効力を生ずる日から施行する。ただし、上記(3)の一部については別途政令で定める日から施行する。

大気汚染防止法の一部を改正する法律案
(1)水銀排出施設に係る届出制度
一定の水銀排出施設の設置又は構造等変更をしようとする者は、都道府県知事に届け出る。
(2)水銀等に係る排出基準の遵守義務等
届出対象の水銀排出施設の排出口の水銀濃度の排出基準を定め、当該施設から水銀等を大気中に排出する者は排出基準を遵守しなければならない。都道府県知事は、当該施設が基準を遵守していないときは、必要に応じ勧告・命令ができることとする。
(3)要排出抑制施設の設置者の自主的取組
届出対象外であっても水銀等の大気中への排出量が相当程度である施設について、排出抑制のための自主的取組を責務として求めるものとする。

※施行期日:我が国について条約が効力を生ずる日から2年以内で政令で定める日から施行する。

【閣議決定】2015年3月10日
【出典】環境省 http://www.env.go.jp/press/100686.html

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