公布「エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(ベンチマーク関連)

2020年3月31日「エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布された。2020年4月1日より施行される。

ベンチマーク制度を活用した省エネの推進の見直しを反映し、「中長期計画書様式」「定期報告書様式」「中長期計画の提出頻度に係る条件」を見直すもの。

●「エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行規則」の一部改正案(概要).pdf

改正の概要

1.「中長期計画書「定期報告書」様式の改正

  • 省エネ法の規定により特定事業者等に提出が求められる「中長期計画書」の様式に、ベンチマーク目標達成に向けた計画(ベンチマーク指標の改善の見込み)を記載できるように改正する(現在は、定期報告書において達成結果のみを報告することとなっている)。

(規則 様式第8)

  • 省エネ法の規定により特定事業者等に提出が求められる定期報告書の様式について、中長期計画書に記載した取組の実施状況を記載できるように改正する。

(規則 様式第9、様式第21)

  • 中長期計画書、定期報告書の改正により、従来達成結果でのみ評価されていたものから、目標達成に向けて努力している過程も評価(補助金審査における優遇措置や税制等を活用可能とする)できるように変更する。

2.中長期計画の提出頻度軽減の要件の見直し

  • 省エネ法では特定事業者等は、毎年度7月末日までに、その設置している工場等について、努力目標(5年度平均原単位1%以上改善)・ベンチマーク目標達成のための中長期的な計画を作成し、主務大臣に提出しなければならない。(法第15条等)
  • しかし、一定の要件を満たす特定事業者等は、中長期計画の提出頻度が軽減されている。(規則第35条)
  • 提出頻度軽減の要件を、以下の通り変更する。
【現行の要件】 【改正後の要件】
①努力目標の達成(5年度平均原単位1%以上改善)
または、
②ベンチマーク目標の達成(複数のベンチマーク対象事業を実施している事業者はどれか一つでもベンチマーク目標を達成していればよい)
①努力目標の達成(5年度平均原単位1%以上改善)
または、
②ベンチマーク目標の達成(複数のベンチマーク対象事業を実施している事業者は主要な事業におけるベンチマーク目標の達成)

(規則第35条)

ベンチマークとは、特定の業種・分野について、当該業種等に属する事業者が、中長期的に達成すべき省エネ基準(ベンチマーク)です。省エネの状況が他社と比較して進んでいるか遅れているかを明確にし、進んでいる事業者を評価するとともに、遅れている事業者には更なる努力を促すため、各業界で全体の約1~2割の事業者のみが満たす水準を、事業者が目指すべき水準として設定しています。

【参考】ベンチマーク制度(産業トップランナー制度)

ベンチマーク制度とは、省エネ法で全ての事業者の努力目標となっている「原単位目標(5年度間平均エネルギー消費原単位を年平均1%以上低減)」とは別に、目指すべきエネルギー消費効率の水準(ベンチマーク目標)を業種別に定めて達成を求めるもの。2009年度よりエネルギー消費量の大きい製造業から導入し、現在は産業・業務部門のエネルギー消費の約7割をカバーしている。

●対象事業者:判断基準 別表第5に定める対象の事業(15業種19分野)に供する1年度間のエネルギー使用量(原油換算値)が1,500kL以上である事業者(特定事業者・特定連鎖化事業者・認定管理統括事業者)
同じ業種で共通の指標(ベンチマーク指標)による目標(目指すべき水準)を定めることにより、他事業者との比較による省エネ取組の促進を目的としている
●各業界で全体の約1~2割の事業者のみが満たす水準を、事業者が目指すべき水準として設定している。
●省エネ法における毎年度の定期報告において、達成状況を報告する。目指すべき水準を達成した事業者は省エネ優良事業者として社名を公表される。

工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準(令和元年7月1日一部改正)

(出典)資源エネルギー庁 省エネルギー課「ベンチマーク制度の概要について(平成28年11月)」

スケジュール

【公布】2020年3月31日
【施行】2020年4月1日

※定期報告書様式の改正に関しては、2021年7月末日までに提出する報告より適用する。

出典

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:結果公示案件」

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