公布「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令等」

2019年8月27日「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」等が公布された。

  • 危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令
  • 石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令の一部を改正する省令
  • 石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件
  • 製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件

改正の概要

1.屋外タンク貯蔵所に係る水張検査の代替

【課題】
水張検査は、消防法に基づく完成検査前検査の一環として、工事後のタンクに実際に水を張ることにより、漏れ及び変形の有無等を確認するものであり、実際の使用環境を模してタンクの健全性を包括的に評価するものであるが、検査にあたっては、大量の水の使用、試験後の水処理、タンク清掃等に伴う事業者の負担が大きいという課題がある。

【規制の内容】
「危険物の規制に関する規則」「石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令」に、水張検査を代替することが可能な工事の特例「屋外タンク貯蔵所の水張試験の特例」について規定する。

  • 構造上の影響を与える有害な変形がないタンクの底部に係る溶接部(ぜい性破壊を起こすおそれのないものに限る。)の補修工事のうち、タンク本体の変形に対する影響が軽微なもの

2.水素スタンドを併設する給油取扱所の技術基準の見直し

【課題】
水素スタンドを給油取扱所に併設する場合には、水素充填のための停車スペースと給油のための停車スペースを区分けし、火災対策としてガソリンが水素充填のための停車スペースに流入しないように溝等を設けることとしている。また、今般、液化水素を液体のままポンプにより高圧に昇圧した後に気化させることで高圧の圧縮水素を製造する方法(液化水素ポンプ昇圧型圧縮水素スタンド)が実用化されたが、給油取扱所に設置することは想定されていない。
現在の規制を維持する場合、事業者は水素充填と給油のための停車スペースを区分けして整備し、敷地を確保する必要性が生じるとともに、液化水素ポンプ昇圧型圧縮水素スタンドを給油取扱所に併設することができない。

【規制の内容】
「危険物の規制に関する規則」を改正し、次に掲げる措置の全てを講じた場合又は給油空地が軽油のみを取り扱う固定給油設備のうちホース機器の周囲に保有する空地である場合は、圧縮水素スタンドのディスペンサー及びガス配管を給油空地に設置することができることとする。

①水素充塡のための停車スペースへのガソリンの流入防止対策
②給油設備からのガソリン流出の防止・低減対策
③事故時における給油の緊急停止

また、液化水素ポンプ昇圧型圧縮水素スタンドについても、自動車等の衝突を防止するための措置を講ずることなどにより、給油取扱所に併設することを可能とする。

3.地下貯蔵タンク等の定期点検期間の弾力化

「危険物の規制に関する規則(62条の5の2、62条の5の3、62条の5の4)」を改正し、定期的な漏れの点検について、実施期限の終期に係る規定を見直す。

地下貯蔵タンク、二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻、地下埋設配管及び移動タンク貯蔵所(地下貯蔵タンク等)の漏れの点検の時期の期限の計算を、「点検を行った日の翌日から下表の期間経過するまでで算出」→「点検を行った日の翌月1日から下表の期間経過するまでで算出」することとするように所用の規定の整備を行い、前回漏れの点検を行った同月内であれば、前倒しせずに点検を行うことができるようにする。

漏れの点検個所 期間
地下貯蔵タンク 1年(場合によっては3年)
二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻 3年
地下埋設配管 1年(場合によっては3年)
移動タンク貯蔵所 5年

4.危険物施設の泡消火設備に係る合成樹脂管の使用

「製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示」において、泡消火設備の配管・継手に合成樹脂製のものを用いる場合の規定を整備

スケジュール
【公布・施行】2019年8月27日