プラスチック製買物袋(レジ袋)有料化義務化(無料配布禁止等) に向けて、「容器包装リサイクル法の関係省令」の改正と、制度の円滑な実施に向けた「ガイドライン」が公表された。
有料化は、2020年7月1日から施行される。
2.小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令の一部を改正する省令
3.プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン
- 2019年5月に策定された「プラスチック資源循環戦略」において、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための重点戦略の1つとしてリデュース等の徹底が位置づけられ、その取組の一環としてレジ袋有料化義務化(無料配布禁止等)を行うことで消費者のライフスタイル変革を促すことを目指す旨が記載された。
- その実現のために開催した会議(※)での審議結果を踏まえ、「プラスチック製買物袋の有料化のあり方について(案)」がまとめられた。また、これに基づいて、「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」が改正されることとなった。
※産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会レジ袋有料化検討WG、中央環境審議会循環型社会部会レジ袋有料化検討小委員会合同会議
1.プラスチック製買物袋の有料化のあり方について
●プラスチック製買物袋の有料化のあり方について(案).pdf
<制度改正のイメージ>
項目 | 具体的内容 |
①対象となる買物袋 | 商品の購入に際し商品を持ち運ぶために用いる、化石資源由来のワンウェイのプラスチック製の買物袋を省令に基づく有料化の対象とする |
②有料化のあり方 | プラスチック製買物袋の価格設定は、消費者のライフスタイル変革を促すという趣旨・目的を踏まえ、各事業者が設定する |
③対象業種 | 自主的取組も含めて、あらゆる業種において措置が講じられるようにする |
④中小企業・小規模事業者等への配慮 | 事業者の規模にかかわらず一律に対象とする |
⑤実施時期等 | 2020年7月1日から一律に施行する(先駆けて有料化を実施することを推奨) |
⑥フォローアップ | 法に基づく定期報告により、有料化等の状況やその効果を確認し、必要に応じた勧告、命令、罰則等に加え、各事業者・業界における取組状況の自主的な情報発信等を実施することを推奨する |
2.小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令
プラスチック製の買物袋の排出の抑制を促進するための事業者の取組(第2条第1項)
- プラスチック製買物袋(範囲は2項参照)を有償で提供することを規定する
※現行、小売事業を行う際には、容器包装リサイクル法(法第7条の4第1項)により容器包装の使用の合理化が義務づけられており、具体的手段として、①容器包装の有料化、②容器包装を利用しない場合のポイント還元、③マイバックの提供、④声がけの推進等、のいずれかを行うことが定められている(省令第2条第1項)。今回の改正により、プラスチック製買物袋については①を必須とし、それ以外の容器包装(紙袋等)については、引き続き使用の合理化に向けて複数の手段のうちいずれかの対応を行うこととなる。
プラスチック製の買物袋の範囲(第2条第1号~3号)
- 消費者が商品を購入した際に商品を持ち運ぶために用いる、持手があるものであって、次のもの以外とする
- 繰り返し使用が可能な、50マイクロメートル以上の厚さ、かつその旨が表示されているもの
※暑さ50マイクロメートル以上の袋は繰り返し使用することが可能であり、プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制に寄与すると考えられるため - プラスチックの重量に占める海洋生分解性プラスチックの重量の割合が100%、かつその旨が表示されているもの
- プラスチックの重量に占めるバイオマスプラスチックの重量の割合が25%以上、かつその旨が表示されているもの
- 繰り返し使用が可能な、50マイクロメートル以上の厚さ、かつその旨が表示されているもの
3.プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン
対象となる事業者
容器包装リサイクル法第7条の4の規定に基づき、その事業において容器包装を用いる者であって、容器包装の過剰な使用の抑制その他の容器包装の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として政令で定めるものに属する事業(小売業※)を行うもの(指定容器包装利用事業者)。
ここで、小売業に属する事業を行うものとは、主たる業種が小売業ではない事業者(製造業、サービス業等)も、事業の一部として小売事業を行っている場合、その範囲において、本制度に基づき容器包装の使用の合理化による排出の抑制の促進に取り組む必要がある。
(例)製造事業者や卸売業者が、製品をショッピングモールや百貨店で販売
(例)美容サロンで、美容グッズを販売、等
有料化の定義
有料化とは、プラスチック製買物袋を提供するに当たって、一定の対価を徴収すること。
以下の行為は、有料化に含まない。
- 買物袋を提供しないことと引き替えに商品価格を値引く
- 買物袋を提供しないことと引き替えにポイントを付与する
- その他の利益供与を行うこと
価格設定の方法
プラスチック製買物袋の価格設定については、サイズ・用途や仕入れ主体・方法などにより、様々なケースが考えられることから、各事業者が消費者のライフスタイル変革を促すという本制度の趣旨・目的を踏まえつつ、自ら設定することとする。
ただし、以下は有料化に当たらない。
- 商品の価格とプラスチック製買物袋の価格を一体として設定し、プラスチック製買物袋の価格が消費者に明らかとなるように提示されていない場合や、袋を辞退しても袋相当分として設定した価格が差し引かれない場合は、有料化には当たらない。
- プラスチック製買物袋の1枚当たりの価格が1円未満になるような価格設定をすることは、有料化には当たらない。
- 複数枚のプラスチック製買物袋を提供する際に、一定枚数を有料で提供しつつ、その他の袋は無料で配布するという価格設定方法(例:1枚目を無料で配布する等)は、有料化には当たらない。
【公布】2019年12月27日
【施行】2020年7月1日
○経済産業省「来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします・容器包装リサイクル法の関係省令を改正しました」/2019年12月27日