策定「プラスチック資源循環戦略」

2019年5月31日、政府は「プラスチック資源循環戦略」を策定し、公開した。

策定の背景
  • 廃プラスチック有効利用率の低さ、海洋プラスチック等による環境汚染が世界的課題
  • 我が国は国内で適正処理・3Rを率先し、国際貢献も実施。一方、世界で2番目の1人当たりの容器包装廃棄量、アジア各国での輸入規制等の課題
  • 第四次循環型社会形成推進基本計画(閣議決定:2018年6月19日)において「プラスチック資源循環戦略」を策定することが盛り込まれたことを受けたもので、中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会において審議が行われていた

プラスチック資源循環戦略の概要

【基本原則】

3R+Renewable(再生可能資源への代替)

【マイルストーン】
(1)リデュース
①2030年までにワンウェインプラスチックを累積25%排出抑制
(2)リユース・リサイクル
②2050年までにリユース・リサイクル可能なデザインに
③2030年までに容器包装6割リユース・リサイクル
④2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等により、有効利用
(3)再生利用・バイオマスプラスチック
⑤2030年までに再生使用を倍増
⑥2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入

【重点施策(概要)】
(1)リデュース等
①ワンウェイプラスチックの使用削減(レジ袋有料化義務化等の「価値づけ」)
②石油由来プラスチック代替品開発・利用の促進
(2)リサイクル
①プラスチック資源の分かりやすく効果的な分別回収・リサイクル
②漁具等の陸域回収徹底
③連携協働と全体最適化による費用最小化・資源有効利用率の最大化
④アジア禁輸措置を受けた国内資源循環体制の構築
⑤イノベーション促進型の公正・最適なリサイクルシステム

(3)再生材バイオプラ
①利用ポテンシャル向上(技術革新・インフラ整備支援)
②需要喚起策(政府率先調達(グリーン購入)、利用インセンティブ措置等)
③循環利用のための化学物質含有情報の取扱い
④可燃ごみ指定袋などへのバイオマスプラスチック使用
⑤バイオプラ導入ロードマップ・静脈システム管理との一体導入

(4)海洋プラスチック対策
プラスチックごみの流出による海洋汚染が生じないこと(海洋プラスチックゼロエミッション)を目指した
①ポイ捨て・不法投棄撲滅・適正処理
②海岸漂着物等の回収処理
③海洋ごみ実態把握(モニタリング手法の高度化)
④マイクロプラスチック流出抑制対策(2020年までにスクラブ製品のマイクロビーズ削減徹底等)
⑤代替イノベーションの推進

出典:環境省「プラスチック資源循環戦略(概要)」

出典

○環境省「「プラスチック資源循環戦略」の策定について」/2019年5月31日

○「プラスチック資源循環戦略」令和元年5月31日/消費者庁・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省