公布「照明器具及び電球の省エネ基準の改正」

2019年4月3日に公布された「改正省エネ法施行令」により、エネルギー消費性能の向上を促すトップランナー制度の対象である「照明器具」及び「電球」の範囲が拡大された。

これを受けて、2019年4月12日「照明器具」及び「電球」について2020年度、2027年度を目標年度とする新しい省エネ基準等を定める省令及び告示が公布された。

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」では、照明器具及び電球を含めエネルギーの使用の合理化を図ることが特に必要な機器について、現在商品化されている製品のうちエネルギー消費効率が最も優れているもの(トップランナー)の性能、技術開発の将来の見通し等を勘案し、製造事業者等が目標年度に満たすべき省エネ基準を設定するとともに、エネルギー消費効率に関する表示事項等を定めている。

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省エネ基準

1.照明器具(LED電灯器具を追加)

従来、蛍光灯器具のみが対象だったが、新たに「LED電灯器具」を対象に加え2020年度を目標年度とする新たな基準が定められた。

従来の基準では、エネルギー消費効率を消費電力量あたりの「照明器具の光源の明るさ(全光束)」としていたが、新たな基準では消費電力量あたりの「照明器具の明るさ(照明器具全光束)」とされた。

これまでの「照明器具の光源の明るさ(全光束)」の表示に変えて、新たに「照明器具の明るさ(照明器具全光束)」の表示が義務付けられる。同一の蛍光灯器具であっても、「照明器具全光束」は「全光束」よりも値が小さくなるため、注意が必要。

○照明器具のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等

2.電球(白熱電球を追加)

従来、蛍光ランプとLEDランプを対象としていたが、新たに「白熱電球」を対象に加え2027年度を目標年度とする新たな基準が定められた。

エネルギー消費効率は、旧基準と同様に消費電力量あたりの「ランプの光源の明るさ(全光束)」とする。

○電球のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等

LED電球の活用が進んでいるが、白熱電球と完全な互換性があるわけではなく、一部用途で、どうしても白熱電球を使うことになる現状が残っている。そこで、白熱電球についてもトップランナー制度の規制の対象とし、メーカーなどの事業者に対して、出荷する電球全体の効率向上を求めることとした。

スケジュール

【公布】2019年4月12日
【施行】2019年4月15日
表示事項の見直しは1年間の経過措置を設け、2020年3月31日までは従来の表示が認められる。

出典

○経済産業省「照明器具及び電球の新しい省エネ基準を策定しました」

○資源エネルギー庁「LED照明器具も「省エネ基準」の対象に~先進技術にも対応するトップランナー制度」2019-05-21

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:結果公示案件」