2020年11月16日~20日に、国際海事機関(IMO)※が「第75回海洋環境保護委員会」を開催し、日本主導による19か国の共同提案をベースとした、既存船に対する新たなCO2削減の国際ルールを導入するための条約改正案が承認された。
早ければ2023年初めから世界の大型外航船に適用される。
※国際海事機関(IMO):船舶の安全・環境等に関する世界的な統一ルールを作る国際連合の専門機関
国際海事機関(IMO)は、国際海運の気候変動対策を担う国連機関として、以下を実現するための各種対策を検討している。
①2030年までに国際海運からのCO2を40%以上削減(輸送量あたり・2008年比)
②2050年までにCO2排出総量50%以上削減(2008年比)
③今世紀中なるべく早期の排出ゼロ
①2030年までに国際海運からのCO2を40%以上削減(輸送量あたり・2008年比)
②2050年までにCO2排出総量50%以上削減(2008年比)
③今世紀中なるべく早期の排出ゼロ
【審議結果】
既存船の CO2削減対策 |
これまでCO2排出規制の対象外であった既存船に対する新たなCO2削減の国際ルールを導入するためのマルポール条約 附属書VIの改正案が承認された。 来年の第76回海洋環境保護委員会において採択の上、早ければ2023年初めから規制が開始される。 |
国際海事研究開発基金(IMRF)の創設 | 外航船の燃料消費量に応じた資金拠出義務付けによる国際研究開発等支援の基金(IMRF:International Maritime Research & Development Fund)創設案について、有志国で引き続き検討を進め、更なる具体的な提案を提出することとなった。 ※本基金の創設により、水素燃料船やアンモニア燃料船といったCO2を排出しないゼロエミッション船の研究開発の促進が期待される。 |
その他 | マルポール条約 附属書I、船舶バラスト水規制管理条約及び船舶防汚方法規制条約(AFS条約)の改正等について審議が行われた |
(出典)国土交通省「別紙2 船舶の新たなCO2削減策(日本主導の共同提案)」
今後の予定
2021年春開催予定の第76回海洋環境保護委員会での採択を経て、2023年初めには発効し、世界の大型外航船に適用される予定。
出典
○国土交通省「世界の大型外航既存船に対するCO2排出規制を承認~国際海事機関(IMO)第75回海洋環境保護委員会(11/16~20)の開催結果~」/2020年11月24日
○国土交通省「国際海運の気候変動対策、新たな国際ルール導入を審議~国際海事機関(IMO)第75回海洋環境保護委員会(11/16~20)の開催~」/2020年11月9日
○国土交通省「船舶の新たなCO2削減策、日本主導により国際ルール化へ~IMO第7回温室効果ガス作業部会(10/19-23)開催結果~」/2020年10月27日