公表「危険物施設の風水害対策ガイドライン」

2020年3月27日、消防庁は「危険物施設の風水害対策のあり方に関する検討報告書(令和元年度)」「危険物施設の風水害対策ガイドライン」を公表した。

2019年7月豪雨や台風21号等により、危険物施設において多数の被害が発生したことを踏まえて策定されたもの。

背景

2019年7月豪雨や台風21号等の風水害に伴い、ガソリンスタンドや化学薬品などの危険物倉庫等の危険物施設が、被害(浸水や強風等に伴う被害)が相次いでいることから、想定される災害リスク(浸水や土砂災害等の発生危険性)に応じて、迅速かつ的確な応急対策が確保されるよう、危険物施設の風水害対策ガイドラインがとりまとめられた。

「危険物施設の風水害対策ガイドライン」の概要

ガイドラインは、「1.共通事項」と「2.危険物施設の形態別のポイント・チェックリスト(例)」で構成されている。

危険物施設の形態は「製造所」「屋内貯蔵所」「屋外タンク貯蔵所」「屋内タンク貯蔵所」「地下タンク貯蔵所」「簡易タンク貯蔵所」「移動タンク貯蔵所」「屋外貯蔵所」「給油取扱所」「販売取扱所」「移送取扱所」「一般取扱所」にわかれている。

1.平時からの事前の備え(共通事項)

  • ハザードマップを参照し、浸水想定区域や土砂災害警戒区域、浸水高さ等を確認
  • 被害の発生が想定される場合には、被害発生の危険性を回避・低減するための措置の検討・計画策定
  • 温度や圧力等を継続することが必要な物品は、停電に備えバックアップ電源を確保。これらの危険物保安上必要な設備等についても、浸水等により必要な機能を損なうことのないよう措置を実施
  • 建築物や電気設備等における浸水を危険物保安上防止する必要がある場合は、土のう、止水板、水密性のあるシャッター・ドア等準備
  • 危険物が流出する恐れがある場合は、オイルフェンス、油吸着材、土のう等の必要な資機材を準備
  • 河川や海洋へ危険物が流出した場合、各地方公共団体の地域防災計画に基づき、水質汚濁防止連絡協議会等の関係機関への連絡体制を確立し、積極的に訓練等へ参画
  • 天候回復後の施設の復旧に当たり、危険物の仮貯蔵・仮取扱いを行うことが想定される場合には、仮貯蔵・仮取扱いの実施計画を作成の上、消防機関と協議

2.風水害の危険性が高まってきた場合の応急対策 (共通事項)

  • 気象庁等が発表する防災情報を注視し、浸水・土砂流入・強風・停電等による危険性に応じた措置を講ずる
  • 従業者等の避難安全を確保するため、十分な時間的余裕を持った作業
  • 浸水等に伴い、大規模な爆発など周辺に危害を及ぼす事態に至る可能性がある場合は、速やかに消防機関等の関係機関へ通報。特に、水と接触することで激しく燃焼する物品や有害なガスを発生させる物品が存する場合には、その物質の性状や保管状況等について情報提供
  • 河川等へ危険物が流出した場合、水質汚濁防止連絡協議会等の関係行政機関へ速やかに通報等し、連携して応急対策を実施

3.天候回復後の点検・復旧(共通事項)

  • 点検を行い、必要な補修を施した後で再稼働
  • 電力復旧時の通電火災や漏電の防止のため、危険物施設内の電気設備や配線の健全性を確認

4.危険物施設の形態別ポイント・チェックリスト(例)

  • 製造所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 屋内貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 屋外タンク貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 屋内タンク貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 地下タンク貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 簡易タンク貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 移動タンク貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 屋外貯蔵所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 給油取扱所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 販売取扱所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 移送取扱所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)
  • 一般取扱所における風水害対策上のポイント・チェックリスト(例)

スケジュール

【公表】2020年3月27日

○NHK「風水害から守るため 危険物施設の対策ガイドライン公表」/2020年3月30日

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