日本付近の二酸化炭素濃度が増加(観測史上最高を更新)

気象庁は、地球温暖化の主要因である大気中の二酸化炭素濃度の観測を、日本を含む北西太平洋域の陸上・洋上・上空で立体的に行っており、2019年(1月~12月)の観測結果が取りまとめられた。

日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は年々増加を続けており、2019年も陸上・洋上・上空の観測全てにおいて観測史上最高を更新した。

二酸化炭素濃度は、過去数十万年間で前例のない濃度に達しており、今後も監視を続けていく必要がある。

概要

●日本付近の二酸化炭素濃度の増加が続いています(PDF)

図.国内3地点の大気中二酸化炭素濃度の年平均値

(出典)気象庁

表1.陸上の大気中二酸化炭素濃度の年平均値と増加量(速報値)

観測地点 綾里 南鳥島 与那国島
2019年の年平均値(ppm)
前年からの増加量(ppm/年)
414.0
+2.0
412.2
+2.8
414.8
+3.1
最近10年間の平均年増加量(ppm/年) +2.4 +2.4 +2.5

大気中の二酸化炭素は、人間活動による放出源が陸上に多く存在するため、一般的に北半球の中・高緯度帯で濃度が高くなる。南鳥島と与那国島はほぼ同緯度に位置するが、南鳥島のほうが大陸から離れた位置にあるため、濃度が低くなる傾向がある。

表2.洋上の大気中二酸化炭素濃度の年平均値と増加量(速報値)

観測線
季節
東経137度
冬季
東経137度
夏季
東経165度
冬季
東経165度
夏季
2019年の年平均値(ppm)
前年からの増加量(ppm/年)
412.9
+2.3
410.3
+2.9
412.3
+1.6
409.9
+3.1
最近10年間の平均年増加量(ppm/年) +2.5 +2.4 +2.4 +2.0

東経137度線は北緯7度~33度で、東経165度線は北緯9度~28度で平均した値。観測期間は、2019年冬季が1月~2月、夏季が7月~9月。

表3.上空6km付近の大気中二酸化炭素濃度の年平均値と増加量(速報値)

観測飛行経路 神奈川県綾瀬市-南鳥島間
2019年の年平均値(12回分)
前年からの増加量(ppm/年)
411.1
+2.8
観測開始からの平均年増加量(8年間)(ppm/年) +2.4

防衛省の協力の下、航空機により上空6㎞付近の温室効果ガスの観測を行っている。2019年は12回の観測が行われた。

出典

○気象庁「日本付近の二酸化炭素濃度の増加が続いています」/2020年3月24日

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする