公布「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」(ガソリン容器への詰替え販売の規制強化等)

2019年12月20日「危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令」が公布された。

「ガソリンの容器への詰替え販売における本人確認の追加(規制強化)」、「給油取扱所の業務の効率化・多様化への対応(規制緩和)」を行うもの。

改正内容

1.ガソリンの容器への詰替え販売における本人確認等

2019年7月、京都府京都市伏見区において、死者36名、負傷者32名(容疑者1名を含まず)の極めて重大な人的被害を伴う爆発火災が発生したことを受け、同様の事案の発生を抑止するため、

ガソリンスタンド事業者等が、ガソリンを容器に詰め替えて販売するときは、

(1)顧客の本人確認
(2)使用目的の確認
(3)販売記録の作成 
を行わなければならないこととする。

(則第39条の3の2)

※本人確認等の具体的実施方法については、追って運用要領が示される予定。

2.給油取扱所の業務の効率化・多様化への対応

ガソリン販売は利幅が小さいため(価格の多くが税金)、ガソリンスタンドの数は減少し続けている。よって、洗車、車両整備、レンタカーといった関連ビジネスに力を入れていく必要があると言われており、それらを後押しする形で、給油取扱所における業務の効率化・多角化に資するため、次の措置を講ずる。

(1)セルフ給油取扱所におけるタブレット端末等による給油許可等

セルフ給油所においては、事業所内の制御卓で行うこととしている給油許可等について、タブレット端末等(可搬式の制御機器)によっても行えるようにする。

(則第28条の2の5、第40条の3の10)

♦セルフスタンドにおける給油許可の仕組み♦
セルフスタンドでは、店舗内の従業員が車を監視し、安全が確認された場合に、備え付けの装置(=制御卓)から給油許可ボタンを押して、はじめて給油ができるという仕組みになっています。従業員は店舗内に常駐する必要があるため、それ以外の業務(車検、洗車、商品販売等)を行うことができませんでした。そこで、今回の改正により「タブレット端末」等を使って給油許可を出せるようになりました。従業員は店舗内に常駐せず、他の業務を行いながら給油許可を行うことができるようになります。

(2)給油取扱所における屋外での物品販売等

原則として建築物の一階で行うこととしている物品の販売等の業務について、火災予防上の支障がない場合には、建築物の周囲の空地 でも行えるようにする。

(則第40条の3の6)

※具体的な運用方法については、追って運用上の指針が示される予定。

スケジュール

【公布】2019年12月20日
【施行】(上記1)2020年2月1日、(上記2)2020年4月1日

根拠法令

消防法
危険物の規制に関する政令

出典

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:結果公示案件」

○総務省消防庁「ガソリンの容器詰替え販売における本人確認等について」