パブリックコメント「グリーンボンドガイドライン改訂版(案)、 グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(案)」

以下の2種のガイドラインに対するパブリックコメントが行われる(2019年12月12日~2020年1月10日)。

経緯

パリ協定で掲げられた「2℃目標」、持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえ、脱炭素社会及び持続可能な社会の実現に向けて、民間資金を動員するグリーンファイナンス、ESG金融の活性化が急務となっている。

1.グリーンボンドガイドライン(改訂)

環境省は、グリーンボンドの環境改善効果に関する信頼性向上を確保し、グリーンボンドの普及を図ることを目的として、国際資本市場協会(ICMA:International Capital Market Association)発行の「グリーンボンド原則」との整合性に配慮しつつ、2017年3月に「グリーンボンドガイドライン」を策定した。

策定後約2年が経過し、その間にICMAによるグリーンボンド原則の改訂や、グリーンボンド発行事例の増加に伴う実務の進展等の状況変化が生じていることを受けてて改訂することとなった。

※ガイドラインは、グリーンボンドに係る具体的対応を検討する際に判断に迷う場合に参考とし得る、具体的対応の例や国内の特性に即した解釈を示している。同時に、グリーンウォッシュ債券(実際は環境改善効果がない、または、調達資金が適正に環境事業に充当されていないにもかかわらず、グリーンボンドと称する債券)が市場に出回ることを防止することに留意しつつグリーンボンドが国内でさらに普及することを目的としている。

2.グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(制定)

グリーンプロジェクトに対しては、債券だけではなく融資による資金供給も重要であり、グリーンローンについても我が国において広がる余地があると考えられる。さらに、借り手のサステナビリティ経営の高度化をコーポレートファイナンスと結びつけるサステナビリティ・リンク・ローンについても、脱炭素で持続可能な社会の実現に向けて取り組む企業等の事業活動への民間資金の導入の有効なツールとなり得ると考えられる。
このため、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンの普及促進を目的として、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)等により2018年に策定されたグリーンローン原則及び2019年に策定されたサステナビリティ・リンク・ローン原則との整合性に配慮しつつ、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」を、併せて策定することとなった。

グリーンボンド/グリーンローンとは?
企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する「債券」/「融資」
【主な特徴】
①調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定される。
②調達資金が確実に追跡管理される。
③それらについて発行後のレポーティングを通じ透明性が確保される。
【主なグリーンボンドの発行主体/グリーンローンの借り手】
①自らが実施するグリーンプロジェクトの原資を調達する一般事業者
②グリーンプロジェクトに対する投資・融資の原資を調達する金融機関
③グリーンプロジェクトに係る原資を調達する地方自治体
【主なグリーンボンドへの投資家/グリーンローンの貸し手】
①ESG投資を行うことを表明している年金基金、保険会社などの投資家
②ESG投資の運用を受託する運用機関
③資金の使途に関心を持って投資をしたいと考える個人投資家

出典

○環境省「グリーンボンドガイドライン改訂版(案)、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(案)に関する意見の募集(パブリックコメント)について」/2019年12月12日

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:意見募集中案件」

○グリーンボンドガイドライン2020年改訂版(案)

○グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(案)

○環境省「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」