「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」について、パブリックコメントが行われる(2019年11月15日~12月14日)。
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(ストックホルム条約)で附属書A(廃絶)に追加することが決定されたジコホル 、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩、PFOA関連物質について、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の第一種特定化学物質に指定し、所要の措置を講じるもの。
●ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案).pdf
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化学物質・廃棄物関連の締約国会議である「ストックホルム条約」第9回締約国会議、「バーゼル条約」第14回締約国会議、「ロッテルダム条約」第9回締約国会議が、2019年4月29日~5月10日・ジュネーブ(スイス)において合同開催された。
(※)ストックホルム条約...
ストックホルム条約では、難分解性、生物蓄積性、毒性及び長距離移動性を有する残留性有機汚染物質を対象に、人の健康の保護及び環境の保全を図るため、各国が国際的に協調して、当該物質の製造、使用を原則的に禁止する等の措置を講じることとしている。
背景
2019年4月末~5月頭にかけて開催された「ストックホルム条約」第9回締約国会議(COP9)において、新たにジコホル 、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩、PFOA関連物質を同条約の附属書A(廃絶)に追加することが決定された。
これを受け、これらの化学物質を「化審法」の第一種特定化学物質に指定し、その製造、輸入、使用を制限する等、必要な措置を講じる。
措置の内容
1.第一種特定化学物質の指定(製造、輸入を原則禁止)(2020年4月から)
次の化学物質を化審法における「第一種特定化学物質」に指定し、これらの化学物質の製造、輸入にあたっては許可を必要とする。
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物質名称 |
1 |
2・2・2-トリクロロ-1-(2-クロロフェニル)-1-(4-クロロフェニル)エタノール(略称:o,p’-ジコホル) |
2 |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩 |
3 |
炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物(略称:PFOA関連物質)
ただし、以下の化合物を除く。
- オクタデカフルオロアルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、クロロ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、ブロモ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)
- ペルフルオロアルキル基(アルキル基は直鎖であり、炭素数が17を超えるものに限る。)を有する化合物
- ペルフルオロアルカンカルボン酸(アルカンカルボン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルキルホスホン酸(アルキルホスホン酸の炭素数が8以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルカンスルホン酸(アルカンスルホン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、又はペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF)
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2.政令で定める製品で第一種特定化学物質が使用されているものの輸入の禁止(2020年10月から)
次の化学物質ごとに定める製品で当該化学物質が使用されているものの輸入
を禁止する。
化学物質 |
輸入を禁止する製品 |
2・2・2-トリクロロ-1-(2-クロロフェニル)-1-(4-クロロフェニル)エタノール(略称:o,p’-ジコホル) |
(なし) |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩 |
- フロアワックス
- 撥水撥油加工をした生地
- 撥水撥油加工をした衣服
- 撥水撥油加工をしたカーペット
- 接着剤及びシーリング用の充填料
- コーティング剤
- 塗料、ニス
- トナー
- 洗浄剤
- 業務用写真フィルム
- 耐水・耐油処理をした加工紙
- 半導体の製造に使用する反射防止剤
- 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
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炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物(略称:PFOA関連物質)
ただし、以下の化合物を除く。
- オクタデカフルオロアルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、クロロ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、ブロモ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)
- ペルフルオロアルキル基(アルキル基は直鎖であり、炭素数が17を超えるものに限る。)を有する化合物
- ペルフルオロアルカンカルボン酸(アルカンカルボン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルキルホスホン酸(アルキルホスホン酸の炭素数が8以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルカンスルホン酸(アルカンスルホン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、又はペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF)
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- フロアワックス
- 繊維製品用保護剤及び防汚剤
- 撥水撥油剤
- 撥水撥油加工をした繊維製品
- 消泡剤
- コーティング剤
- 光ファイバー又はその表面コーティング剤
- 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
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3.政令で指定された用途(エッセンシャルユース)以外の使用の禁止(2020年4月から)
次の化学物質については、それぞれ右欄で認める用途以外での使用を禁止する。
化学物質 |
使用を認める用途 |
2・2・2-トリクロロ-1-(2-クロロフェニル)-1-(4-クロロフェニル)エタノール(略称:o,p’-ジコホル) |
(なし) |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩 |
(なし) |
炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物(略称:PFOA関連物質)
ただし、以下の化合物を除く。
- オクタデカフルオロアルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、クロロ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、ブロモ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)
- ペルフルオロアルキル基(アルキル基は直鎖であり、炭素数が17を超えるものに限る。)を有する化合物
- ペルフルオロアルカンカルボン酸(アルカンカルボン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルキルホスホン酸(アルキルホスホン酸の炭素数が8以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルカンスルホン酸(アルカンスルホン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、又はペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF)
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- 医薬品の製造を目的としたペルフルオロオクタンブロミド(PFOB)の製造のためのペルフルオロオクタンヨージド(PFOI)の使用
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4.取扱い等に係る技術上の基準の設定(2020年4月から)
化審法の第一種特定化学物質を使用した次の製品を取り扱う場合に、別途定める取扱い上の技術基準に従う。
化学物質 |
技術上の基準に従わなければならない当該化学物質が使用されている製品 |
2・2・2-トリクロロ-1-(2-クロロフェニル)-1-(4-クロロフェニル)エタノール(略称:o,p’-ジコホル) |
(なし) |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩 |
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炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物(略称:PFOA関連物質)
ただし、以下の化合物を除く。
- オクタデカフルオロアルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、クロロ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、ブロモ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)
- ペルフルオロアルキル基(アルキル基は直鎖であり、炭素数が17を超えるものに限る。)を有する化合物
- ペルフルオロアルカンカルボン酸(アルカンカルボン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルキルホスホン酸(アルキルホスホン酸の炭素数が8以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロアルカンスルホン酸(アルカンスルホン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。)
- ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、又はペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF)
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スケジュール
【パブリックコメント】2019年11月15日~12月14日
出典
○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:意見募集中案件」
○厚生労働省「「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」に関する御意見の募集について」
○ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)
パブリックコメント「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」
パブリックコメント, 化学物質, 化審法
「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」について、パブリックコメントが行われる(2019年11月15日~12月14日)。
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(ストックホルム条約)で附属書A(廃絶)に追加することが決定されたジコホル 、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩、PFOA関連物質について、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の第一種特定化学物質に指定し、所要の措置を講じるもの。
●ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案).pdf
2019年4月末~5月頭にかけて開催された「ストックホルム条約」第9回締約国会議(COP9)において、新たにジコホル 、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩、PFOA関連物質を同条約の附属書A(廃絶)に追加することが決定された。
これを受け、これらの化学物質を「化審法」の第一種特定化学物質に指定し、その製造、輸入、使用を制限する等、必要な措置を講じる。
1.第一種特定化学物質の指定(製造、輸入を原則禁止)(2020年4月から)
次の化学物質を化審法における「第一種特定化学物質」に指定し、これらの化学物質の製造、輸入にあたっては許可を必要とする。
ただし、以下の化合物を除く。
2.政令で定める製品で第一種特定化学物質が使用されているものの輸入の禁止(2020年10月から)
次の化学物質ごとに定める製品で当該化学物質が使用されているものの輸入
を禁止する。
ただし、以下の化合物を除く。
3.政令で指定された用途(エッセンシャルユース)以外の使用の禁止(2020年4月から)
次の化学物質については、それぞれ右欄で認める用途以外での使用を禁止する。
ただし、以下の化合物を除く。
4.取扱い等に係る技術上の基準の設定(2020年4月から)
化審法の第一種特定化学物質を使用した次の製品を取り扱う場合に、別途定める取扱い上の技術基準に従う。
ただし、以下の化合物を除く。
【パブリックコメント】2019年11月15日~12月14日
○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:意見募集中案件」
○厚生労働省「「ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)」に関する御意見の募集について」
○ジコホル、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質に係る措置(案)