公表「有害物ばく露作業報告対象物質(労働安全衛生規則第九十五条の六の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等の一部を改正する件)」

2019年12月5日「労働安全衛生規則第九十五条の六の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等の一部を改正する件」が公表された。
「有害物ばく露作業報告」の対象物質(モリブデン化合物)・期間(2020年)を公表するもの。

背景

「労働安全衛生規則」第95条の6の規定により、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う作業場において、労働者を当該物のガス等にばく露するおそれのある作業に従事させた事業者に対し、所轄労働基準監督署長への所定事項の報告(有害物ばく露作業報告)を義務付けている。
今般、IARC(国際がん研究機関)による発がん性評価等に基づき、厚生労働省において開催した有識者検討会による検討結果等を踏まえ、有害物ばく露作業報告の対象となる物及び期間を変更するため、労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等の改正を行う。

「有害物ばく露作業報告制度」とは?
厚生労働省では、労働者に重い健康障害を及ぼすおそれのある化学物質について、「リスク評価」を実施し、必要な規制を実施している。このリスク評価を行うに当たり、事業場において労働者が有害物にさらされる(ばく露)状況を把握するため、法令に基づき「有害物ばく露作業報告制度」を設けている。報告の対象となる物質(厚生労働大臣が定める)について、年間500kg以上の製造又は取扱いがある事業場は、例外なく報告が必要となっている。
厚生労働省「有害物ばく露作業報告について」

改正内容

1.2020年を対象期間とする「有害物ばく露作業報告」対象物の追加

「労働安全衛生規則」第95条の6の規定に基づき厚生労働大臣が定める物として、以下の表の左欄に掲げる物及びこれを含有する製剤その他の物を規定。

項目 内容
報告対象物質 モリブデン化合物(三酸化モリブデンに限る)及びそれを含有する製剤(含有量0.1%未満を除く)
報告が必要な事業者 報告の対象となる対象物質について、500kg以上の製造、又は取り扱いがある事業場
(※)製造又は取扱いの期間が短い場合や発散抑制などの措置を講じた場合でも、報告が必要。
(※)ばく露作業報告対象物を含有する製剤の場合は、当該製剤ごとの「製造量又は取扱量」×「ばく露作業報告対象物の含有率」を計算し、その値が500kg以上になる場合に報告が必要。
報告対象期間 2020年の1年間(2020年1月1日~12月31日)
報告書提出期間 2021年1月1日~3月31日

2.2018年を対象期間とする「有害物ばく露作業報告」対象物の削除

2018年に一の事業場において製造し、又は取り扱った物であって、2019年1月1日~3月31日までの間に、労働安全衛生規則第95条の6の規定による報告書の提出を行わなければならないこととしていたもの等を対象から削除する。
  • テトラヒドロフラン及びそれを含有する製剤(含有量0.1%未満を除く)
  • 2・4・6-トリクロロフェノール及びそれを含有する製剤(含有量0.1%未満を除く)
  • フルフリルアルコール及びそれを含有する製剤(含有量0.1%未満を除く)

スケジュール

【告示】2019年12月5日
【適用】2020年1月1日

出典

○電子政府の情報窓口「パブリックコメント:結果公示案件」

○厚生労働省「有害物ばく露作業報告について」

○厚生労働省<2021年報告版>「有害物ばく露作業報告」の手引き

○労働安全衛生則第九十五条の六の規定に基づき厚生労働大臣が定める物等の一部を改正する件(案)の概要