公布「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令」

2019年6月19日「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令」が公布された。内容は、以下の通り。

改正の概要

1.次に掲げる物を新たに「劇物」に指定

(1)三塩化アルミニウム及びこれを含有する製剤
(CAS No.:7446-70-0)
【用途】石油精製(クラッキング触媒)又は有機合成(フリーデルクラフト反応触媒)の際の触媒、医薬品、農薬及び香料等の原料

(2)シクロヘキサ-4-エン-1,2-ジカルボン酸無水物及びこれを含有する製剤
(CAS No.:85-43-8)
【用途】エポキシ樹脂硬化剤、不飽和ポリエステル・アルキド樹脂原料及び農薬原料

(3)ジデシル(ジメチル)アンモニウム=クロリド及びこれを含有する製剤。
ただし、ジデシル(ジメチル)アンモニウム=クロリド0.4%以下を含有するものを除く。

(CAS No.:7173-51-5)
【用途】水関連、木材関連、医療関連、農産・畜産関連等の殺菌剤、防腐剤又は消毒剤

(4)2-(ジメチルアミノ)エタノール及びこれを含有する製剤。
ただし、2-(ジメチルアミノ)エタノール3.1%以下を含有するものを除く。
(CAS No.:108-01-0)
【用途】水溶性塗料用樹脂可溶化剤、アニオン合成樹脂・乳化剤原料、発泡触媒、凝集剤

(5)トリクロロ(フエニル)シラン及びこれを含有する製剤
(CAS No.:98-13-5)
【用途】撥水剤、絶縁樹脂、耐熱性塗料のシリコン化に使用。シリコン樹脂の中間体、実験用試薬

(6)ヘキサン酸及びこれを含有する製剤。
ただし、ヘキサン酸11%以下を含有するものを除く。
(CAS No.:142-62-1)
【用途】食品添加物、香料として香料製剤の製造に使用。潤滑油の製造に使用。化粧品(歯磨き、入浴剤等)、室内芳香剤等に使用

(7)ヘプタン酸及びこれを含有する製剤。
ただし、ヘプタン酸11%以下を含有するものを除く。
(CAS No.:111-14-8)
【用途】食品添加物、香料として香料製剤の製造に使用。潤滑油の製造に使用。化粧品(歯磨き、入浴剤等)、室内芳香剤等に使用

(8)ペンタン酸及びこれを含有する製剤。
ただし、ペンタン酸11%以下を含有するものを除く。
(CAS No.:109-52-4)
【用途】食品添加物、香料として香料製剤の製造に使用。潤滑油の製造に使用。化粧品(歯磨き、入浴剤等)、室内芳香剤等に使用。医薬品、プラスチック可塑剤及びビニール安定剤の原料

2.次に掲げる物を「劇物」から除外

(1)有機シアン化合物及びこれを含有する製剤のうち、4-(2,2-ジシアノエテン-1-イル)フエニル=2,4,5-トリクロロベンゼン-1-スルホナート及びこれを含有する製剤
(CAS No.:126980-24-3)
【用途】電子写真感光体の添加剤

(2)2-(ジメチルアミノ)エチル=メタクリレート及びこれを含有する製剤のうち、2-(ジメチルアミノ)エチル=メタクリレート6.4%以下を含有する製剤
(CAS No.:2867-47-2)
【用途】光重合系の触媒

(3)水酸化リチウム一水和物及びこれを含有する製剤のうち、水酸化リチウム一水和 物0.3%以下を含有する製剤
(CAS No.:1310-66-3)
【用途】水性インク用顔料分散液

スケジュール

【公布】2019年6月19日
【施行】2019年7月1日(2項については公布日から施行)
【経過措置等】
①今回新たに劇物に指定した物については、既に製造、輸入及び販売されている実情に鑑み、改正政令の施行日(2019年7月1日)において、現にその製造業、輸入業又は販売業を営んでいる者については、2019年9月30日までは、毒物及び劇物取締法の以下の規定は適用しない。
・法第3条(禁止規定)
・法第7条(毒物劇物取扱責任者)
・法第9条(登録の変更)
②新たに劇物に指定した物のうち、改正政令の施行日(2019年7月1日)において、現に存するものについては、2019年9月30日までは、毒物及び劇物取締法の以下の規定は適用しない。
・法第12条(毒物又は劇物の表示)第1項(法第22条第5項において準用する場合を含む。)、第2項

出典

○厚生労働省「毒物及び劇物指定令の一部改正について(通知)

○厚生労働省「毒物及び劇物取締法に関する通知等ホームページ」

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