2019年5月31日「食品ロス削減推進法」が公布された。
「食品ロス削減推進法」は、食品ロスの削減(※)に関し、国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定め、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的としている。
この法律において「食品ロスの削減」とは、まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組をいう。
食品ロス削減推進法の概要
1.「食品ロスの削減」の定義(第2条)
2.各主体の責務(第3条~7条)
- 国:食品ロスの削減に関する施策を総合的に策定・実施する
- 地方公共団体:食品ロスの削減に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その地域の特性に応じた施策を策定・実施する
- 事業者:国や地方公共団体の施策に協力するよう努め、食品ロスの削減に積極的に取り組むよう努める
- 消費者:食品ロスの削減の重要性について理解を深め、食品の購入又は調理の方法を改善すること等により食品ロスの削減について自主的に取り組むよう努める
3.食品廃棄物の発生抑制等に関する施策における食品ロスの削減の推進(8条)
4.食品ロス削減月間(第9条~10条)
- 食品ロスの削減に関する理解と関心を高めるため、毎年10月を食品ロス削減月間・10月30日を食品ロス削減の日とする。
- 国及び地方公共団体は、食品ロス削減月間において、その趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努める
5.基本方針等(第11条~13条)
- 政府は、食品ロス削減の推進に関する基本方針を策定する(閣議決定)
- 都道府県・市町村は、基本方針を踏まえて食品ロス削減推進計画を策定する
6.基本的施策(第14条~19条)
- 国及び地方公共団体は、以下の必要な施策を講ずる。
・消費者、事業者等に対する教育・学習の振興、知識の普及・啓発等
・食品関連事業者等の取組に対する支援
・食品ロスの削減に関し顕著な功績がある者に対する表彰
・食品ロスの実態調査、食品ロスの効果的な削減方法等に関する調査研究
・食品ロスの削減についての先進的な取組等の情報の収集・提供
・未利用食品等を提供するための活動の支援等(フードバンク活動の支援等)
7.食品ロス削減推進会議(第20条~25条)
【食品ロスの現状】
環境省及び農林水産省の2016年度の食品ロスの量の推計結果の公表値によると、日本では年間2,759万トンの食品廃棄物等が排出され、このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は643万トンと推計されている。これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(2017年で年間約380万トン)の1.7倍に相当する。また、食品ロスを国民1人当たりに換算すると「お茶腕約1杯分(約139g)の食べもの」が毎日捨てられていることになる。
環境省及び農林水産省の2016年度の食品ロスの量の推計結果の公表値によると、日本では年間2,759万トンの食品廃棄物等が排出され、このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は643万トンと推計されている。これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(2017年で年間約380万トン)の1.7倍に相当する。また、食品ロスを国民1人当たりに換算すると「お茶腕約1杯分(約139g)の食べもの」が毎日捨てられていることになる。
スケジュール
【公布】2019年5月31日
【施行】2019年10月1日
※2019年9月27日公布「食品ロスの削減の推進に関する法律の施行期日を定める政令」により施行日が決定
出典
〇消費者庁「食品ロスの削減の推進に関する法律の公布について(通知)
〇消費者庁「「食品ロスの削減の推進に関する法律」の施行及び本年10月の食品ロス削減月間について」