公布「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(水銀使用製品の追加)

2018年12月3日「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布された。

「水銀使用製品産業廃棄物の対象となる水銀使用製品を定めた新用途水銀使用製品の製造等に関する命令(新用途製品命令)」の改正により、新たな水銀使用製品が追加されることを受けたもの。

また、今般の改正を踏まえた水銀使用製品産業廃棄物の処理に係る制度の詳細については、「水銀廃棄物ガイドライン第2版/平成31年3月)」が発行されている。

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改正内容

1.水銀使用製品産業廃棄物の対象となる水銀使用製品の追加(6製品)

新用途製品命令が改正され、既存用途水銀使用製品として新たな製品が追加されることから、廃棄物処理法施行規則別表第4に掲げる水銀使用製品に、以下6製品を追加する。

No 水銀使用製品 水銀回収義務(2項参照)
1 放電管(水銀が目視で確認できるものに限り、放電ランプ(蛍光ランプ及び HIDランプを含む。)を除く。)
2 水銀圧入法測定装置
3 ガス分析計(水銀等を標準物質とするものを除く。)
4 容積形力計
5 滴下水銀電極
6 水銀等ガス発生器(内蔵した水銀等を加熱又は還元して気化するものに限る。)

2.あらかじめ水銀の回収が必要な水銀使用製品の追加(3製品)

上記6製品のうち、廃棄物処理法施行規則別表5に掲げる、水銀又はその化合物の割合が相当の割合以上であり、あらかじめ水銀の回収が必要な水銀使用製品産業廃棄物の対象となる水銀使用製品に、以下3製品を追加する。

No 水銀使用製品
1 放電管水銀が目視で確認できるものに限り、放電ランプ(蛍光ランプ及び HIDランプを含む。)を除く。)
2 容積形力計
3 滴下水銀電極

■(参考)水銀使用製品産業廃棄物■
水銀使用製品産業廃棄物の対象は、以下①~③に該当する製品が産業廃棄物となったもの
①「新用途水銀使用製品の製造等に関する命令」第2条第1号又は第3号に該当する水銀使用製品のうち下表に掲げるもの
② ①の材料又は部品として用いて製造される水銀使用製品(下表に×印のあるものを除く)
③ ①②のほか、水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている水銀使用製品

※下表で赤字・網掛けが今改正で追加となったもの
※下表で○印の付いているものは中間処理で水銀回収が義務付けられているもの

3.廃水銀等を排出する特定施設の改正

廃棄物処理法に基づく、特別管理産業廃棄物に該当する廃水銀又は水銀化合物(廃水銀等)は、以下2つに大別される。

  1. 特定施設(廃棄物処理法施行規則別表第1)において生じた廃水銀又は廃水銀化合物
  2. 水銀若しくはその化合物が含まれている物(一般廃棄物を除く)又は水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀

従来より、特定施設として「水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品を除く)を有する施設」が特定されており、ここから生じた廃水銀等は、特別管理産業廃棄物として処理することとなっている。

しかし、今般、廃棄物処理法施行規則別表第4に掲げる水銀使用製品に「水銀圧入法測定装置(別名:ポロシメータ)」が追加されることに伴い、現行の規定では「水銀圧入法測定装置」を有する施設において生じた廃水銀等が特別管理産業廃棄物として扱われなくなってしまう。引き続き水銀圧入法測定装置を有する施設において生じた廃水銀等が特定管理産業廃棄物として取り扱われるようにするため、所要の改正が行われる。

改正前 改正後
水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品を除く。)を有する施設 水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品(水銀圧入法測定装置を除く。)を除く。)を有する施設

スケジュール

【公布】2018年12月3日
【施行】2019年3月3日

出典

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:結果公示案件」

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