「大気汚染防止法施行規則」改正

「大気汚染防止法」の規制対象である水素製造用改質器(ガス発生炉)については、2015年6月30日に閣議決定された「規制改革実施計画」において、「水素製造用改質器に係る規制について、当該施設の排出ガスの性状やばい煙排出濃度の実態等を調査した上で、適切な規模要件等を検討し、その結果を踏まえ必要な措置を講ずる」こととされた。
これを受け、当該施設に係るばい煙排出実態等について検討した結果、当該施設について、ばいじん及び窒素酸化物に係るばい煙濃度の測定頻度の緩和を図ること等の措置を講ずることとなった。
また、水銀排出規制に関して2016年9月26日に公布した大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成28年環境省令第22号)の規定について、既存施設における定期測定結果の評価に用いる基準を明確化することとした。

《改正の概要》
1.水素製造用改質器に係る規制緩和措置
(1)ばい煙の測定頻度の緩和(大気汚染防止法施行規則 第15条第1項の改正)
水蒸気改質方式の改質器であって、温度零度及び圧力1気圧の下における水素の製造能力が毎時1,000立方メートル未満の施設(気体状の燃料及び原料のみを使用するものに限る。)に係るばい煙の測定頻度を、次のとおり変更する。

① ばいじん :排出ガス量の如何にかかわらず、測定頻度を「5年に1回以上」とする。
② 窒素酸化物:特定工場等(総量規制地域内の一定規模以上の工場・事業場)に設置されるか否かにかかわらず、また、排出ガス量の如何にかかわらず、測定頻度を「5年に1回以上」とする。

(2)重油換算方法の変更
(環境省水・大気環境局長通知の発出)

水蒸気改質法により水素を製造する小規模施設(燃料及び原料として気体のみを使用するもの)及び燃料電池用改質器については、燃料の発熱量が非常に小さいことから、バーナーの燃料の燃焼能力に係る重油換算方法を、昭和46年8月25日付け環大企第5号「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」(都道府県知事・政令市長あて環境省大気保全局長通知)に示した方法から、以下の換算式による方法へ変更する。

(現行)
重油10リットルが、ガス燃料16m3に相当する。
(変更後)
重油換算量(L/h)=換算係数×気体燃料の燃焼能力(m3N/h)
換算係数=気体燃料の発熱量(kJ/m3N)/重油の発熱量(kJ/L)
ただし、上式の気体燃料の発熱量は総発熱量を用いることとし、重油の発熱量は40,000kJ/Lとする。

2.水銀排出に関する定期測定結果の評価に用いる基準の明確化
既存施設における再測定の実施に関して、「別表第3の3の下欄に掲げる排出基準」、すなわち、新規に設置される施設に適用される排出基準に基づき測定結果の評価を行うとの解釈を可能とする余地があるため、既存施設の場合は、あくまで既存施設に適用される排出基準を超えた場合に再測定を行うことを明確化するため、改正省令第16条の12第3号の内容を以下のように変更する。

(現行)
「定期測定の結果が別表第3の3の下欄に掲げる排出基準を超えた場合は再測定を行うこと」
(変更後)
「定期測定の結果が改正省令第16条の11に規定する排出基準を超えた場合は再測定を行うこと」

【施行】
省令公布・施行日:2017年1月6日
通知発出日:省令公布・施行日と同日

【出典】環境省 http://www.env.go.jp/press/103410.html

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