諮問・答申「労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則の改正」(ベンジルアルコールに対するラベル表示・SDS交付等の義務化)

2020年11月18日、厚生労働大臣は労働政策審議会に対し、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱」と「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について諮問を行い、同審議会から妥当である旨の答申があった。答申を踏まえ、2021年1月1日の施行に向けて、政省令の改正が進められる。

近年、橋梁等の塗替塗替工事に使用される剥離剤として、ベンジルアルコール(安衛法令の規制の対象になっていない化学物質)を主成分とする製品の使用が増加し、急性中毒が相次いでおり、死亡災害も発生していることから、。

政省令案の概要①.pdf
政省令案の概要②.pdf

1.労働安全衛生法施行令(別表9:ベンジルアルコールの追加)

労働安全衛生法第57条・第57条の2・第57条の3の規定に基づき、譲渡又は提供するときに容器等へのラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントを行わなければならない化学物質を定める令別表第9に、「ベンジルアルコール及びベンジルアルコールを含有する製剤その他の物」を追加する

2.労働安全衛生規則(別表2:裾切値の設定)

容器等へのラベル表示・SDS交付の対象となる「ベンジルアルコール」について、当該物質を含有する製剤その他の物に係る裾切値(含有量がその値未満の場合、表示義務等の対象としない)を定める則別表第2に、含有量が重量パーセント1%未満のものは対象としない旨を規定

【安全データシート(SDS)】とは?
化学物質の安全な取扱いを確保するために、化学物質の危険有害性等に関する情報を取りまとめたものであり、成分及びその含有量、物理的及び化学的性質、人体に及ぼす作用、貯蔵及び取扱い上の注意などの情報も含まれている。労働安全衛生法に基づき、労働安全衛生法施行令別表第9に定められた物質を国内で譲渡・提供しようとする場合は、SDSを相手側に提供することが義務付けられている。

【リスクアセスメント】とは?
化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる労働者への危険または健康障害を生じるおそれの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討することをいう。労働安全衛生法に基づき、労働安全衛生法施行令別表第9に定められた物質を製造・使用する場合は、リスクアセスメントを行うことが義務付けられている。

(出典)厚生労働省「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案の概要」/2020年11月18日

スケジュール

【公布】2020年12月上旬(予定)
【施行期日】2021年1月1日(予定)

※この政令の施行の際現に存在する追加対象物質については、名称等の表示義務に係る法第57条第1項の規定は、2021年6月30日まで適用しない

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