2020年6月12日「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」が公布された。
「1.電気事業法」「2.再エネ特措法」「3.(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構法」の一部を改正するもので、一部を除き2022年4月1日に施行される。
国際エネルギー情勢の緊迫化、再生可能エネルギーの拡大等の電気供給をめぐる環境変化を踏まえ、強靱かつ持続可能な電気の供給体制を確立するため、「送配電事業者に対する災害時連携計画の策定義務」「再生可能エネルギーの新たな導入支援制度の創設」「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の業務の追加」などの措置を講じるもの。
1.名称変更
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」→「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」へ変更
2.市場連動型の導入支援(FIP制度創設)
再生可能エネルギー発電事業者の投資予見可能性を確保しつつ、市場を意識した行動を促すため、固定価格での買い取り(FIT:固定価格買取制度)に加え、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度(FIP:フィード・イン・プレミアム)制度を創設
FIP制度は、大型の事業用太陽光発電、風力発電が対象。
従来 【FIT制度】価格が一定で、収入はいつ発電しても同じ(需要ピーク時に供給量を増やすインセンティブなし)
新制度【FIP制度】補助金(プレミアム)が一定で、収入は市場価格に連動(需要ピーク時に蓄電池の活用などで供給量を増やすインセンティブあり)
3.再生可能エネルギーポテンシャルを活かす系統増強
地域の送配電事業者が負担していた、再生可能エネルギーの導入拡大に必要な地域間連系線等のネットワーク増強費用の一部を、賦課金方式で全国一律に課す制度を創設
4.再生可能エネルギー発電設備の適切な廃棄
太陽光発電が適切に廃棄されない懸念に対応するため、発電事業者に対し、廃棄のための費用に関する外部積立て義務を課す
(出典)経済産業省「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案【エネルギー供給強靱化法案】概要」
【閣議決定】2020年2月25日
【公布】2020年6月12日
【施行】2022年4月1日(一部の規定は別途定める日)
○経済産業省「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました」/2020年2月25日