公布「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」

2017年6月16日「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が公布された。

2016年1月に発覚した食品廃棄物の不正転売事案の発生、及び鉛等の有害物質を含む、電気電子機器等のスクラップ(雑品スクラップ)等の保管等による生活環境保全上への影響発生を背景とした改正。

背景

2016年1月に発覚した食品廃棄物の不正転売事案などを受け、許可を取り消された廃棄物処理業者等に対する対応の強化や、不適正処理があった場合に行政機関による早期の実態把握・原因究明が可能な電子マニフェスト利用の強力な推進が必要となっている。
また、鉛等の有害物質を含む、電気電子機器等のスクラップ(雑品スクラップ)等が、環境保全措置が十分に講じられないまま、破砕や保管されることにより、火災の発生や有害物質等の漏出等の生活環境保全上の支障が生じており、対応の強化が必要となっている。

改正の概要

1.廃棄物の不適正処理への対応の強化

市町村長、都道府県知事等は、廃棄物処理業の許可を取り消された者等が廃棄物の処理を終了していない場合に、これらの者に対して必要な措置を講ずることを命ずることができることとする。また、当該事業者から排出事業者に対する通知を義務づけることとする。

(施行:2018年4月1日)

2.マニフェスト制度の強化(電子マニフェストの義務付け)

特定の産業廃棄物を多量に排出する事業者(前々年度のPCB廃棄物等を除く特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業所鵜を設置する事業者)に、紙マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付に代えて、電子マニフェストの使用を義務付けることとする。

また、マニフェストの虚偽記載等に関する罰則を強化する。

(施行:2020年4月1日)

3.有害使用済機器の適正な保管等の義務付け

人の健康や生活環境に係る被害を防止するため、雑品スクラップ等の有害な特性を有する使用済みの機器(有害使用済機器)について、これらの物品の保管又は処分を業として行う者に対する、都道府県知事への届出、処理基準の遵守等の義務付け処理基準違反があった場合等における命令等の措置の追加等の措置を講ずる。

(施行:2018年4月1日)

4.その他

親子会社が一体的な経営を行うものである等の要件に適合する旨の都道府県知事の認定を受けた場合には、当該親子会社は、廃棄物処理業の許可を受けないで、相互に親子会社間で産業廃棄物の処理を行うことができることとする。

(施行:2018年4月1日)

スケジュール

【公布】2017年6月16日
【施行】上記2以外:公布日から1年を超えない範囲内(2018年4月1日)、上記2:公布日から3年を超えない範囲内(2020年4月1日)

出典

○環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について」

○環境省「Q&A 電子マニフェスト使用の一部義務化等について」

環境省「Q&A 有害使用済機器保管等届出制度について」

○環境省「Q&A その他改正事項(親子会社認定等)について」

○環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(通知)」/平成30年3月30日