「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」改正

《背景》

  • 平成22年、カルタヘナ議定書第5回締約国会議(於:名古屋)で「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書」が採択された。
  • 補足議定書では、国境を越えて移動する改変された生物により損害(生物多様性への著しい悪影響)が生ずる場合に、生物多様性の復元等の対応措置をとること等を締約国に求めている。

《現行法の概要》
遺伝子組換え生物等の使用等を規制し、違法な使用者等に対する措置命令(中止・回収等)の規定を置いているが、実際に生物多様性に損害が生じた場合に、中止・回収等を超える措置命令をかけるための規定はない(補足議定書の国内担保はできない) 。

《改正案の概要》
(1)生物多様性に係る損害の回復を図るために必要な措置の命令を追加
環境大臣は、違法に遺伝子組換え生物等の使用等がなされた結果、生物多様性(重要な種・地域に係るものに限る。)を損なう等の影響が生じたと認めるときは、当該使用者等に対し、この影響による生物多様性に係る損害の回復を図るために必要な措置(例えば生息環境の整備、人工増殖・再導入等)を執るべき旨を命ずることができることとする。
(2)罰則の追加
(1)の命令違反の罰則の創設(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
(3)その他
(1)の命令の要件や想定される措置等を規定するため、主務大臣が公表する基本的事項に(1)の措置に関する基本的な事項を追加する等の所要の措置を講ずる。

【閣議決定】2017年2月28日
【公  布】2017年4月21日
【施行期日】補足議定書が日本で効力を生ずる日
※平成29年2月時点:36か国及びEUが締結済(発効要件は40か国の締結)
【出典】環境省 http://www.env.go.jp/press/103687.html