公表「『環境サステナブル企業』についての評価軸と評価の視点」

環境省「環境サステナブル企業評価検討会」は、環境要素を経営に統合する企業の情報開示と投資家による開示情報を用いた企業価値評価の実務を促進するため、「『環境サステナブル企業』についての評価軸と評価の視点」を取りまとめ、公表した。

また、本評価軸と評価の視点を活用して、環境関連の重要な機会とリスクを企業価値向上に向け経営戦略に取り込んでいる「環境サステナブル企業」を表彰する制度を本年度新設する予定。

概要

1.「環境サステナブル企業」についての評価軸の評価の視点

環境要素が企業価値に与える影響の理解に基づく投資判断を普及させ、企業が環境要素を踏まえた経営を行い、その状況を開示することを促進するため、2018(平成30)年度の「環境サステナブル企業評価検討会」において、環境サステナブル企業(環境要素を企業経営などに戦略的に取り組んでいる企業)を投資家が評価するにあたって、参考となる評価軸と評価の視点がとりまとめられた。

評価軸と評価の視点は、以下の視点で整理されている。
●投資家等の金融専門家の実務を踏まえたものであること
●気候変動関連に特化せず、水や資源循環、生物多様性等の広範な環境要素を包括的に含め、幅広い環境関連リスク・機会を考慮している企業を評価できるようにするものであること
●開示充実に留まらず、環境要素の経営への取り組みを企業価値向上に結びつけようとする企業経営のあり方を評価できるようにするものであること
●企業価値にもつなげつつ、環境への正の効果を生み出している企業を評価できるようにするものであること

<評価軸>
1.リスク・事業機会・戦略
(1)重要な環境課題の分析結果とのその方法
(2)環境関連リスク・機会の特定と影響可能性の把握
(3)重要な環境課題に関する中長期戦略
2.KPI
(1)気候変動
(2)水資源
(3)生物多様性
(4)資源循環
(5)化学物質・汚染予防
3.ガバナンス
(1)長期的な価値創造の観点での重要環境課題に関するガバナンス
(2)環境情報の開示
(3)環境課題に関する投資家との対話
(4)環境関連リスク・機会の管理プロセス
4.加点要素
(1)SBT
(2)環境情報基盤整備事業
(3)TCFD賛同
(4)RE100
(5)グリーンボンド
(6)第5次環境基本計画の重点戦略の実現への貢献

2.新表彰制度

環境省では、「環境サステナブル企業」の具体的な実例を投資家、企業に示すことで、企業の情報開示と投資家の投資判断への統合を促すことを目的に、本評価軸と評価の視点を活用した表彰制度を、2019年度新設する予定(採点表等の公表は8月を予定)。

出典

○環境省「「環境サステナブル企業」についての評価軸と評価の視点の公表」/2019年7月8日