公表「2018年度大気汚染防止法の施行状況」

環境省より、大気汚染防止法に基づく届出及び規制事務の件数などの施行状況をまとめた「大気汚染防止法施行状況調査(2018年度実績)」が公表された。

調査結果の概要

平成30年度大気汚染防止法の施行状況について(概要)

平成30年度大気汚染防止法施行状況調査(平成30年度実績)

1.施設の届出数・作業実施の届出件数

(1)大防法に基づく規制対象施設の届出数

2018年度末における大防法に基づく規制対象施設の届出数は、下表のとおり。

前年度と比較してばい煙発生施設、揮発性有機化合物排出施設及び一般粉じん発生施設は増加した。

種類別のばい煙発生施設数は、ボイラーが132,675施設(61.1%)と最も多く、次いでディーゼル機関の40,131施設(18.5%)だった。

施設名 2018年度末の届出数
( )内は前年度末の実績
ばい煙発生施設 217,116(216,920)↑
揮発性有機化合物排出施設 3,476( 3,463)↑
一般粉じん発生施設 70,399( 69,900)↑
水銀排出施設 4,524( – )

(2)特定粉じん排出等作業の実施件数

特定粉じん排出等作業(※)の実施件数は20,219件であり、前年度と比較して3,885件も増加した。

種類別の特定粉じん排出等作業実施件数及び割合は、改造・補修作業が11,783件と最も多く、除去された特定建築材料の種類は、主に吹付け石綿、保温材だった。

(※)特定粉じん排出等作業:特定建築材料(吹付け石綿及び石綿を含有する断熱材、保温材、耐火被覆材)が使用されている建築物等を解体、改造又は補修する作業

内訳 2018年度末の届出数
( )内は前年度末の実績
通常解体工事等に係るもの 20,177(16,293)
災害その他非常の事態の発生によるもの 42(41)

2.規制事務の実施状況

(1)立入検査

立入検査を実施した工場・事業場数等は44,037件。特定粉じん排出等作業場が27,243件で全体の約62%、ばい煙発生施設が12,785件で全体の約29%を占めた。

また、特定粉じん排出等作業場に対する立入検査を実施した件数は、2016年熊本地震で損壊した建築物等の解体等工事の数が減少したことにより、被災自治体による立入検査数が減ったため、2018年度では大きく減少している。

(2)改善命令等の行政処分及び行政指導

2018年度に実施した行政処分は、特定粉じん排出等作業において作業の一時停止命令を行った1件。告発は0件。

2018年度に実施した行政指導は、10,657件(前年度10,771件)であり、内訳は、特定粉じん排出等作業場が5,658件と最も多く、次いで、ばい煙発生施設が3,885件だった。

(3)ばい煙量等の測定、記録及び保存等に係る行政指導を実施した施設数の推移

2018年度のばい煙量等の測定、記録及び保存等に係る行政指導を実施した施設数は649件、改善が確認された施設数は251件。

出典

○環境省「平成30年度大気汚染防止法の施行状況について」/2020年3月13日

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする