公布「大気汚染防止法施行令・施行期日政令・関連告示等(改正)」(改正大気汚染防止法関連)

2020年10月7日「大気汚染防止法施行令」「施行期日政令」「関連告示(3種)」が公布された。

全ての石綿含有建材を規制対象とすること、事前調査の信頼性確保などを目的とした「改正大気汚染防止法(2020年6月5日公布)」の施行に向け、改正法に対応するための、大気汚染防止法施行令、関連告示の改正を行うもの。

~大気汚染防止法におけるアスベスト(石綿)飛散防止規制~
石綿を飛散させる原因となる建築材料(特定建築材料)が使用されている建築物等の解体・改造・補修作業を行う際には、「大気汚染防止法」に基づき、事前の届出・石綿飛散防止対策(作業基準の遵守)が義務づけられている。

改正の概要

1.大気汚染防止法施行令(特定建築材料の種類追加等)

●大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令案(概要)
●大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(新旧対照表)

大気汚染防止法第2条第11項に基づき、吹付け石綿その他の特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料は、政令第3条の3において規定している。

改正により、吹付け石綿等だけでなく、石綿を含有するすべての建築材料を特定建築材料となる。(従来:吹付け石綿並びに石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(以下「吹付け石綿等」という。)

大気汚染防止法第2条第11項
この法律において「特定粉じん排出等作業」とは、吹付け石綿その他の特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料で政令で定めるもの(以下「特定建築材料」という。)が使用されている建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)を解体し、改造し、又は補修する作業のうち、その作業の場所から排出され、又は飛散する特定粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるものをいう。

【法第2条第11項、令第3条の3】

【施行:2021年4月1日】

2.調査を適切に行うために必要な知識を有する者

●大気汚染防止法施行規則第16条の5第2号の規定に基づき環境大臣が定める者(案)について(概要)
●設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者

【建築物(一戸建て住宅等を除く)】建築物石綿含有建材調査者講習登録規程に規定する一般建築物石綿含有建材調査者、特定建築物石綿含有建材調査者又はこれらの者と同等以上の能力を有すると認められる者
【一戸建て住宅等】上記に掲げる者又は登録規定に規定する一戸建て等石綿含有建材調査者

【規則別表第7関係】

【施行:2023年10月1日】

3.事前調査結果の報告対象となる工作物

●大気汚染防止法施行規則第16条の11第1項第3号の規定に基づき環境大臣が定めるもの(案)について(概要)
●特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物

対象となる工作物(抜粋)
・反応槽
・加熱炉
・ボイラー及び圧力容器
・配管設備(建築物に設ける給水設備、排水設備等を除く)
・焼却設備
・煙突(建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除く)
・貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)
・トンネルの天井板 など

【改正法第18条の15第6項関係】

【施行:2022年4月1日】

4.別に作業基準を設ける建築材料(けい酸カルシウム板第一種)

●大気汚染防止法施行規則別表第7の4の項下欄ハの規定に基づき環境大臣が定めるもの(案)について(概要)
●特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定める石綿含有成形板等

現行の大気汚染防止法施行規則別表第7において、特定粉じん排出等作業の作業基準を定めているが、今般の規則改正により、石綿を含有する建築材料のうち、特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定めるものについては、飛散性の観点から別に作業基準を設けることとなった。

別に作業基準を設ける対象となる建築材料として「石綿を含有するけい酸カルシウム板第一種」を規定する。

※石綿含有建材は一般的にはレベル1・2・3と分類されている。
・レベル1…石綿含有吹付け材
・レベル2…石綿含羞断熱材・保温材・耐火被覆材
・レベル3…その他の石綿含有成形板
「石綿含有けい酸カルシウム板第一種」は軽量で、天井材・壁材等に使用されている(レベル3建材)。「
石綿含有けい酸カルシウム板第二種」は耐火被覆材等に使用されている(レベル2建材)。

【改正規則第16条の5第2号関係】

【施行:2021年4月1日】

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(出典)環境省「【概要】大気汚染防止法の一部を改正する法律案」

スケジュール

【公布】2020年10月7日
【施行】規定により異なる(各項を参照)

出典

○e‐GOV > 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令案

○e‐GOV > 設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣が定める者

○e‐GOV > 特定建築材料が使用されているおそれが大きいものとして環境大臣が定める工作物

○e‐GOV >特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定める石綿含有成形板等

○中央環境審議会 石綿飛散防止小委員会

○環境省「改正大気汚染防止法について」のページ

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