パブリックコメント「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質の指定の見直しについて(報告)(案)」

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質の指定の見直しについて(報告)(案)」について、パブリックコメントが行われる(2020年2月25日~3月13日)。

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」における【第一種指定化学物質(PRTR+SDS対象)】【第二種指定化学物質(SDS対象)】の選定方法、見直し案を提示するもの。

報告案の概要

1.現行の物質選定の考え方と課題

2.令和元年度の見直しにおける物質選定の基本的な考え方

「有害性」の観点からの物質選定

第一種指定化学物質、第二種指定化学物質の有害性の選定基準は、現時点においても、評価手法の確立及びデータ蓄積の観点から、以下、現行のものを引き続き採用する。

現行の選定の考え方は、有害性の判断に係る項目として、評価手法が確立して一定のデータの蓄積のある項目としており、「1.発がん性」「2.変異原性」「3.経口慢性毒性」「4.吸入慢性毒性」「5.作業環境許容濃度から得られる吸入慢性毒性」「6.生殖発生毒性」「7.感作性」「8.生態毒性」「9.オゾン層破壊物質」を対象項目として選定し、各項目についてPRTR及びSDS対象化学物質の具体的な選定基準を設定している。

「環境での存在状況(ばく露)等」の観点からの物質選定

環境中での存在状況(ばく露)等の観点からの物質選定については、従来使用してきた「一般環境中での検出状況」の他、PRTR制度に基づく情報が充実してきたことから「相当広範な地域の環境での継続的な存在」の程度と相関性のある指標として、「製造輸入量」から「排出量」に変更し使用することが示された。

なお、「特定第一種指定化学物質」については、発がん性の懸念が高い物質など、特に重篤な障害をもたらす物質、あるいは強い生態毒性を持ち、難分解性・高蓄積性をもち、動植物の生育に支障を及ぼす可能性が特に高い物質であることから、製造輸入量が一定以上あるもの等については排出量の多寡に関わらず対象とすることが適当であるこのため、特定第一種指定化学物質については、引き続き、現行制度と同様に一定以上の製造輸入量があるもの(製造輸入量10トン以上のもの)を対象とすることが適当

3.今後の課題

別添5 選定された物質の一覧

●見直しによる化管法対象物質数の概況.pdf【差し替え版】

  • 有害性が化管法の現行選定基準に合致し、新たなばく露情報の選定基準に合致する物質は【664物質】
    • 第一種指定化学物質  :527物質
    • 特定第一種指定化学物質:27物質
    • 第二種指定化学物質  :137物質

【化管法(PRTR法)の概要】
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」は、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的としている。これには、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進することを通じて環境の保全上の支障を未然に防止することのほか、排出量等のデータの活用等により、国、地方公共団体が環境保全施策を企画、立案することが可能となることによって環境の保全上の支障を未然に防止するという2つの意味が含まれている。
このため、化管法では、業種や事業規模等の一定の要件を満たす事業者に対し政令で指定された化学物質(第一種指定化学物質(462物質))の事業活動に伴う環境への排出量等を国へ届け出ることを義務付けるとともに(PRTR制度)、指定化学物質(第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質(100物質))を取り扱う全ての事業者に対し当該化学物質の取引時にその性状や取扱いに関する情報を相手方事業者に提供することを義務付けている(SDS制度)。
また事業者は、法に基づき定められた化学物質管理指針に留意して、これらの化学物質の製造、使用その他の取扱い等に係る管理を行うとともに、その管理の状況に関する国民の理解を深めるよう努めることが求められている。

※PRTR:Pollutant Release and Transfer Register/化学物質排出・移動量届出制度
※SDS:Safety Data Sheet/化学物質等安全データシート

スケジュール

【パブリックコメント】2020年2月25日~3月13日

出典

○電子政府の総合窓口「パブリックコメント:意見募集中案件」

○環境省「「薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会安全対策部会化管法物質選定小委員会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会合同会合報告(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)について」/2020年2月25日

○環境省・PRTR対象物質等専門委員会

○経済産業省・化管法物質選定小委員会

○厚生労働省・PRTR対象物質調査会

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